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2005年07月30日
ツール・ド・フランス~第21ステージ~
シャンゼリゼにフィニッシュする最終ステージ。最後の周回コースまではパレードラン。残される争いはマイヨベールを巡るポイント賞の行方。1位のヒュースホーウッド、2位オグレディ15ポイント差、3位マキュアン21ポイント差。ステージ優勝で35ポイント、逆転の可能性は大きい。
パレードランでは、雨や寒さに強かったアームストロングのラストということか、冷たい雨が降る。先頭のアームストロングに選手が一人一人挨拶に来る。区切りがつくとマイヨジョーヌ自ら集団の後ろに下がり、各チームカーに挨拶回り。これで引退というのもあり、チームカーから握手を求める手が無数に伸びる。シャンパンを皆で飲むが、アームストロングだけは口をつける程度。
ポイント賞争いを尻目に、途中のポイント地点でヴィノクロフがスプリントをかける。前日までの総合成績で、5位のレイファイマーまであと2"、ボーナスタイムでの逆転を狙いに行く。一つ目のポイントで1位通過、6"稼ぐがレイファイマーも続き4"。これで総合は0"で並ぶが、小数点以下ではまだレイファイマーが上。
シャンゼリゼ大通りを走る頃には雨は上がっていた。そしてフィニッシュでのボーナスで逆転を狙うべく、残り3kmでヴィノクロフが最後に渾身のアタック!!各スプリンターの思惑を振り切り、見事集団から先行してシャンゼリゼでのステージ優勝!!ボーナスタイムも20"を稼ぎ文句無しの総合5位浮上を飾る。後続のスプリント争いは集団からマギー、カンチェラーラが飛び出すものの届かず。集団はマキュアンがトップだが、オグレディ、デイビスを挟んでヒュースホーウッドが続いたため、ポイント賞はヒュースホーウッドが守った。
「盛り上げたで賞」の敢闘賞は、毎山岳ステージでアタックし続けたペレイロが文句無しの受賞。フランス人選手のための敢闘賞も、昨年のヴィランクは納得するとしても、今年のペレイロ(スペイン)や一昨年のヴィノ(カザフ)の受賞を見る限り、投票する関係者の目が平等になってきたのか、ナショナリズムが薄らいできたのか。
山岳賞はラスムッセンが初戴冠。31歳のデンマーク人は最終TTで総合3位から大転落したものの、ステージ1勝も上げ大成功のツールとなった。来年はまた誰が取りに来るか分からない。引退前のジャラベール以来、実力者が総合成績を諦め山岳賞だけを狙いに行くパターンのため、狙う狙わないだけで山岳賞争いは変わってくる。
ポイント賞はヒュースホーウッドが守った。ジロ前のチッポ引退、ペタッキ、ザベルの不出場を受けてスプリンター集団のラフレンセージュ勢やマキュアンに期待がかかったが、ピュアスプリンターではないヒュースホーウッドがエスケープでのポイントも加算してのゲット。マキュアンはやはり頭突きでの降格が痛かった…。
新人賞はポポヴィッチが、アームストロングのアシストをしながらの受賞。TTも山岳もこなしてジロで活躍した後に今期からディスカバ入り、今年の初のツール参戦も総合で12位に入り、アームストロングのいなくなる来年のエース争い1歩リードか。
チーム優勝はT-Mobile。ウルリッヒ・ヴィノクロフ・クローデンのトリプルエースを用意し、クローデンのリタイア後もベテランのグエリーニが3人目の役割を担った。
総合3位はウルリッヒ。優勝1回、2位5回、そして今年は初の3位。"eternal second"は返上したが、結局アームストロングを打ち負かすことはできなかった。最大のライバルとして君臨したことは確か、最後に2人が登った表彰台で抱き合う姿は非常に感慨深かった。来年は33歳、待ち望まれる2度目の優勝のチャンスはあと僅か。
総合2位はバッソ。昨年の3位に続いての2年連続の表彰台。アームストロング引退の来年以降の最有力馬と目される脂の乗った28歳。昨年のようにアームストロングマークの走り方では来年以降のツールでの活躍は期待薄だったが、今年は自ら攻撃する場面が目立った。アグレッシブなチャンピオンとなれるか。
そして優勝は今更ながら7連覇、そしてこれで引退のランス・アームストロング。とりあえず映画化されるが、ランス役はマット・デイモン。
今年は山岳コースが多くクライマー向けのツールという前評判だったが、エラスやボテロ、ユースカルテル勢は一度もイイところが無く、辛うじてトーチュニッヒがステージ優勝を飾るに留まった。代わって目立ったのがボーネン、バルベルデ、ポポヴィッチの実力通りの爆発的な強さ。長丁場のステージレースで通して発揮するにはまだ若いが、クネゴと共に代わり映えのしないベテラン勢に入り込めるか。
投稿者 iron-monkey : 2005年07月30日 17:50
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