メンバー登場、腰痛の毛ガニさんはやはり居ない。1曲目のYOUから涙ぐむ。いつもの腹に響くリズムだけではない、一曲一曲が生歌では次にいつ聴けるか分からない、そう考えるだけでスタートから涙が出てしまう。中盤のMCまでは、今の若者が知らない珠玉のナンバーがメドレーで続く。まさか「お正月?」を聴けるとは思わなかった。松田さんの美声も聴けたし。土砂降りの中、耳で、目で、体で味わう。

メロディの途中で演出のように雨が上がり、MCへ。いつものサザン、このライブを伝説にしない、必ず帰ってくる。そう言われたところで涙は止まらない。シュラバ★ラ★バンバを初めて生歌で聴き、変調で高くなるところから擦れかける桑田さんの声に長い年月を感じる。いつからかまた強く振り出した雨の中、ふざけても涙し、下ネタに涙し、バラードで涙する。29年間、物心つく前から聴き続けたいとしのエリーも、次に聴けるのは何年後か、何十年後か…。勝利の方程式の掛け合いもヅラも、泣きながら全力で叫ぶ。いつものように連呼する「ありがとー!!」も、いつも以上に心に残る。必死で鼓膜に、瞼に焼き付ける。

アンコールから揃った5人の姿、次のツアーが既に楽しみ、そんな終幕は無い。懸命に拍手を送る、本当に本当にありがとうございました。来年だって10年後だって、同じように5人に熱狂させてください。